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ダイヤビルレディースクリニック院長ブログです

低用量ピルと月経困難症について

〇 月経困難症は、月経期間中に月経に随伴して起こる病的症状をいいます。

〇 下腹痛、腰痛、腹部膨満感、嘔気、頭痛、疲労・脱力感、食欲不振、いらいら、下痢および抑うつの順に多くみられます。

 月経困難症に対して鎮痛剤や漢方薬などを使用して治療することもありますが、あくまで対症療法に近いので、排卵が起こる度、月経がくるたびに症状が再燃しかねません。どれくらいだったら私は月経困難症かな?病院で相談するレベルかな?という問い合わせに関しては、例えば鎮痛剤を使用するかたですと、月経1-3日目まで使用するのはかなり月経困難症の可能性が高いです。2日目まで使う方も、月経困難症が潜んでいる可能性が高いです。鎮痛剤使用せず我慢している方も、2日3日目まで痛みがあるのなら月経困難症の可能性があります。

 また月経困難症の中には、子宮内膜症や子宮腺筋症、子宮筋腫などを併発していたり。卵巣に嚢腫などを併発している患者さんも見受けられます。子宮卵巣の診察は問診のみでは難しく、内診や超音波検査、必要に応じてMRI検査などで診断が必要となることがあります。院内の診察室で実施する可能性のある、内診の超音波については(異常のない方は年1回でOKです。)、経膣的あるいは経直腸的に細い棒状の超音波プローブを挿入し、子宮卵巣に異常がないか診断することが出来ます。数分で終わります。 

 低用量ピルは、排卵をおやすみさせることで、卵巣の機能をやすませられ、排卵前後の体調の変化も少なくなりますし、本来の意味の月経の出血が来なくなる。(破綻出血や消退出血は起こりうる。)これにより、月経時の疼痛が減るばかりか、全くなくなる方もいます。また出血の量も減るので、ナプキン、おりものシートを使用する頻度が減るので経済的とも言えます。また月経前症候群についても効果がみられます。

 月経困難症と診断された場合は保険診療で月経困難症治療薬の超低用量ピルであったり、黄体ホルモン単独のお薬を使うことが可能です。内服です。いずれも飲み始め、少し慣れるまで個人差はありますが、一度使用してみると、とても快適になり、いままで毎月ゆううつだったことが、びっくりするくらい過去のように感じられるようになることでしょう。当院は自費診療のピル(1シート1300円から1800円)も用意があります。学割も期間限定でおこなってます。学生証必要です。

 オンライン、ネット診療でピルを買うことは、病院に行く時間がなかったり・・・などを考慮すると選択肢としては、ありだと思いますが、本当に子宮卵巣に問題がないかどうか?誰がみてくれるのでしょうか?その先生は往診してくれるのでしょうか?検査なく処方となるので危険性もあります。また郵送費用や雑費などで結果病院でもらった方が安かったりということはあります。

 かかりつけ、あるいは信頼できる医療機関で診察を受けてから、自費も保険の効く超低用量ピル、黄体ホルモンに関しても、処方してもらうことが私としてはおすすめです。